間違えて大事なファイルを削除してしまったことはありませんか?
大事なディスクを誤って。フォーマットしてしまったことは?
突然ハードディスクが読めなくなってしたったことは?
あきらめないでください。
そうした場合、データリカバリーソフトを使うと、消してしまったファイルを復旧させることができる場合があります。
そこで、本記事では、実際に500GBのハードディスクを用意して、Glary Undelete、Recuva、EaseUS Data Recovery Wizardの3つのデータリカバリーソフトを試してみました。
なぜ削除したファイルを復元させることができるのか?
ファイルを削除しても、ハードディスクからデータが削除されるわけではない
Windowsで、ファイルを削除した場合、まず「ゴミ箱」にファイルが移されます。そして「ゴミ箱」を空にすると、Windowsからアクセスできなくなります。この状態が通常言う、ファイルを削除したということになります。
しかし、この段階ではファイルのデータが完全に削除されたわけではなく、ファイルの管理情報が削除されただけなのです。
だから専用のリカバリーソフトを使うと、削除されたはずのファイルを復活させることが可能になります。
ただし、すべての削除されたファイルが、復元できるわけではありません。
なぜならば、windows上で削除されたファイルの保存されていたハードディスクの場所は、空きと認識され、新しいデータが書き込まれていきますので、データが上書きされてしまうと、元のファイルを復元することはできません。
どのファイルが復元できるかは、運次第なところもありますが、基本的には削除が新しいほど、ハードディスクの空き容量が多いほど、復元できる可能性が高くなります。
削除した直後であれば、ほぼ確実にソフトで復元可能です。
ディスクをフォーマットしてしまっても、ファイルを復元できる可能性がある
ディスクをフォーマットした場合を考えてみましょう。
Windowsで、ディスクをフォーマットする場合、デフォルトで、「クイックフォーマット」をするようになっています。この「クイックフォーマット」というのは、ディスク(パーティション)の管理情報を書き直しているだけです。
ハードディスクには、元のデータが残っており、データリカバリーソフトを使うと、ファイルを復元することができます。
データリカバリーソフトの基本的な使い方
データリカバリーソフトの使い方は、基本的な流は同じです。
画面は、EaseUS Data Recovery Wizardのものです。
ディスクからファイルの情報を抽出
まず、復元したいファイルのあるディスクを選択し、ディスクの分析を行います。
ファイルの抽出には、クイックスキャンとディープスキャン(詳細分析)があります。ディープスキャンは、ハードディスクのセクター単位で、分析し、ファイルデータの痕跡を探し出すため、時間はかかりますが、より多くの、復元可能なファイルを見つけることができます。ハードディスクをフォーマットしてしまった場合や、ファイルシステムが破損したディスクからファイルを復元する場合は、ディープスキャンでないと、目的のファイルを見つけることはできません。
抽出されたファイルの中から復元させたいファイルを探し、復元する
ある程度使用履歴のあるハードディスクの場合、おそらく皆さんの予想以上のファイル数が検出されます。
その中から、復元したいファイルを探します。
中にはファイル名が消えているファイルもあるため、更新時期や拡張子などを手掛かりに探すことになります。
復元したいファイルが見つかったら、チェックして、復元をクリックします。
その後。復元したファイルの保存先を選択して、復元がおこなわれます。
ここで、注意が必要な点は、復元されたファイルの保存先は、必ず別のハードディスクにしなければならないということです。同じハードディスクに保存しようとすると、最悪の場合、復元元のファイルデータに上書きしてしまい、復元に失敗します。
データリカバリーソフトウェアのおすすめ
基本的なデータリカバリーソフトの使い方は前述のようですが、ファイルの検出数や検出にかかる時間、目的のファイルの探しやすさ、復元の精度など、ソフトによってかなり違います。
Glary Undelete、Recuva、EaseUS Data Recovery Wizardの3つのデータリカバリーソフトを紹介します。
Glary Undelete
Windowsの管理ユーティリティ、Glary Utilitiesを作っているGlarysoftの、復元ソフトで、無料で使うことができます。
Glary Utilitiesのダウンロードはこちら
操作は、シンプルで、復元したファイルのあるハードディスクを選択し、検索をクリックすると、ハードディスクを検索し、復元ファイルの一覧を表示してくれます。
検索速度は、早いのですが、クイックスキャンのみで、ディープスキャンに相当するものがないため、復元できるファイルは限られ、後述のソフトよりかなり少なくなります。
復元の目安として、「良い」、「とても良い」という感じで、復元の目安が表示されています。
Glary Undeleteは、ハードディスク(SSD)のみ対応で、メモリーカードやUSBメモリーにも利用できません。
またGlary Undeleteは、フォーマットしてしまったハードディスクやwindowsで認識できなくなったハードディスクからのファイル救出にも対応していません。
機能は少ないですが、誤って削除してしまったファイルを、すぐに復元といった用途に使うには、シンプルでいいでしょう。
Recuva
Recuvaは、windowsのユーティリティとして有名なCCleanerと同じ会社が、提供している無料で使えるデータリカバリーソフトです。
Recuvaのダウンロードはこちら
無料にもかかわらず、高機能で、ハードディスクだけでなく、SDカードやUSB メモリーにも対応しており、、ウィザード形式で、ファイルを抽出、復元できます。
Glary Undeleteに比べると、復元対象として検出できるファイルがはるかに多くなります。
復元の目安は、ファイル一覧の横にオレンジや緑の〇で表示されています。
検出できるファイルが多いだけに、ファイル名が消えているファイルもあります。Recuvaには、復元前に、ファイルのプレビュー機能もあるのですが、jpgファイルくらいしか対応しておらず、目的のファイルの名前が消えている場合は、拡張子やファイルの更新時期を目安に、実際に復元してみて、内容を確認するしかありません。
またクイックスキャンだけでなく、詳細検索(ディープスキャン)にも対応しており、復元可能性のある、より多くのファイルを検出することができます。
詳細検索をすると、フォーマットしてしまったディスクからも、データを復元することもできます。
ただし、詳細検索には、非常に時間がかかり、筆者が500GBのハードディスクで試したところ、約6時間かかりました。
詳細検索をすると、復元不可能なものを含め、大量のファイルが検出されます。その多くは名前が消えていますので、拡張子などで、ある程度絞るにしても、目的のファイルを探すのはかなり大変です。
またWindowsでハードディスクを認識しない場合は、Recuvaでは対応不可能です。
EaseUS Data Recovery Wizard
バックアップソフトTodo Backup Homeや、パーティションを操作できるPartition Masterなどを販売しているデータリカバリーソフトです。
有料ソフトだけあって、非常に強力なリカバリーソフトです。
EaseUS Data Recovery Wizardのダウンロードはこちら
ハードディスク、SSDだけでなく、SDカードやUSBメモリーにも対応しています。
またNASにも対応しており、筆者の環境で試したところ、NASの削除データからの復元も可能でした。
使い方自体は、Recuvaと大きく変わるところはなく、ハードディスクを選択、ディスク内を検索し、抽出されたファイルから、復元したいファイルを選択し、復元します。
EaseUS Data Recovery Wizardは、上記2ソフトと比べて、以下のようなメリットがあります。
目的のファイルを探すのが格段に楽
無料のソフトに比べ、フォルダーの構造をできるだけ再現するようにしてくれるようで、ファイルが探しやすくなっています。
またタグ抽出という機能があり、欠損したデータから、読み取れる部分で情報をピックアップしてくれます。例えば音楽ファイルであれば、アーティスト名、画像であれば、撮影したカメラ、オフィスソフトであれば、作成者といった形で、ファイルを抽出・分類してくれるので、ファイルが探しやすくなっています。
またプレビュー機能が、JPEGだけでなく、動画や、音楽ファイル、EXCEL、Wordといったオフィスソフトなど多くに対応しており、復元する前に内容の確認ができます。
ファイルの復旧をしようとすると、下記のようにファイル名が欠落したファイルがたくさん出てきます。
上記はmp4の拡張子を持つ動画ですが、ダブルクリックすると、プレビュー画面になり、内容を確認することができます。
さらに、オフィスソフトなど対応しているアプリケーションのファイルであれば、ファイルに破損がある場合、有る程度の修復を行ってくれます。
名前が消えてしまったファイルから目的のファイルを探すのは、非常に手間がかかることなので、プレビューで復元前に内容を確認できるのは、非常に助かります。
ディープサーチの途中でも操作ができる
EaseUS Data Recovery Wizardは、ハードディスクの健作を始めると、まず、クイックサーチを行い、その後。自動的にディープサーチを開始します。
ディープサーチを行っている間も、検出されたファイルは順次追加で表示されていき、プレビューで内容を確認したり、ファイルの復原を行ったりできます。
上述のRecuvaは無料のソフトとしては優秀ですが、ディープサーチの間の数時間から十数時間は、待たないといけません。、ディープサーチの終了まで待たなくてよいので、作業効率は格段によくなります。
Windowsで認識しなくなったハードディスクからもファイルを救出できる
ハードディスクを使用していると、まれにwindowsで認識しなくなることがあります。完全に故障している場合もありますが、多くの場合、ファイルシステムが壊れています。通常Windowsでは、NTFSでフォーマットされていますが、このファイルシステムの部分が損傷してしまい、RAWという状態、つまりWindows上からは、フォーマットされていないハードデディスクと認識されていることが、まれにあります。
RAWになる原因としては、物理的にハードディスクが壊れかけている場合もありますが、外付けハードディスクでの抜き差しなど、いろいろな理由でソフトウェア的に壊れている場合も多くあります。
ハードディスクがRAWとなった場合、ファイルシステムを上書きすることで、回復することもあるのですが、失敗するとハードディスク内の全てのデータが失われます。
上述のRecuvaは、windowsで正常に認識されていないハードディスクは、扱えません。
しかし、EaseUS Data Recovery Wizardは、windowsで認識されていないハードディスクからも、データを復旧することができますので、安心です。
Windowsが起動しなくなった場合にも使える
起動ディスクに問題が生じた場合、windows自体が立ちあがらなくなります。
その場合、事前にUSBメモリーに起動ディスクを作成しておけば、それを使って、データの復旧することができます。有料ソフトだけあって、そういう部分は、非常に親切にできています。
EaseUS Data Recovery Wizardは無料でお試しができる
EaseUS Data Recovery Wizardは、有料のソフトですが、無償トライアルができます。
無償トライアルの制限は、復元出来るファイルが2GBまでの制限があることと、破損したデータの復旧の機能が使えないことです。
無償版でも、ハードディスクの検索ができ、プレビューも確認できますので、望みのデータが、復元出来るかどうかの確認はできます。
その上で、ライセンスを購入するというのが、いいと思います。
EaseUS Data Recovery Wizard Proのライセンスは、1か月、1年、永久の3つがあります。
1か月ライセンス | 1年ライセンス | 永久ライセンス |
8,900円(税込9,790円) | 11,900円(税込13,090円) | 17,900円(税込19,690円) |
トラブルが起こったので、データを復旧したいという場合は、一番安い1か月のライセンスでもいいでしょう。
1年のライセンスと1か月のライセンスは、それほど差がないので、1年という選択肢もありますし、きちんと対策をしたいという場合は、永続ライセンスという選択もあるでしょう。
EaseUS Data Recovery Wizardのダウンロードはこちら
まとめ
大事なファイルを削除してしまった、間違えてフォーマットしちゃった、突然ディスクが読めなくなった、という場合、データリカバリーソフトを使うと、ファイルを復旧できる可能性があります。
おすすめのデータリカバリーソフトは、有料ですが、復元力の高さや、目的のファイルの探しやすさ等の効率を感がると、EaseUS Data Recovery Wizardがおすすめです。
EaseUS Data Recovery Wizardのダウンロードはこちら
EaseUS Data Recovery Wizardは、上述のように、無料でお試しができますので、無償トライアルで、目当てのファイルが復旧できそうか確認の上、ライセンスを購入してもいいでしょう。
ファイルを削除した直後に気づき、ファイルを復元したいということであれば、Glary Undeleteでもいいと思います。ファイルを復元できる範囲が狭いのですが、動作がシンプルで、簡単な復元には向いていると思います。
Glary Utilitiesのダウンロードはこちら
無料で、より多くのファイルを復元したいという場合は、Recuvaがおすすめですが、作業効率は非常に悪く、時間と手間は覚悟してください。
Recuvaのダウンロードはこちら
最後になりますが、ハードディスクは消耗品です。できれば、こまめにバックアップをとるのがおすすめです。

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