筆者は現在ソニーのブルーレイレコーダー BDZ-FT1000に2TBの外付けUSBハードディスクをつないで利用していました。
このUSBハードディスクがしばらく前から調子が悪くなり、読み込めないタイトルがでてきたり、ダビングに失敗したりと、明らかに故障の兆候がでてきていました。
そこで、ハードディスクをWindowsパソコンに接続し、Crystal Disk Infoで、S.M.A.R.T情報を確認したところ、「注意」となっており、読み書きできないセクターがかなりあるようです。
このハードディスクは、5年ほど使用しており、稼働時間は、約47000時間ということで、寿命ということでしょう。
ハードディスクは、消耗品なので、調子を見て交換すべきなのでしょう。
ということで、新しいハードディスクを購入し、古いハードディスクから、移せるタイトルをダビングし始めました、しかし半分ほど移したところで、ハードディスクの認識が不安定となり、ダビングも不可能となりました。
筆者は下記の商品を購入しました。テレビ対応と明示されているものを購入するといいでしょう。
そこで、最後の手段としてパソコンを使って壊れたハードディスクのクローンを作り、修復しました。結果として、一部のタイトルはダメだったものの、多くのタイトルを修復できました。
以下は、メーカーが公開されている情報でもなく、推奨している方法でもありません。最悪データが壊れます。試す場合は、自己責任でお願いします。
修復の手順
修復にあたり、オリジナルのハードディスクのクローンを作り、それを修復します。
ハードディスクのクローンを作る
ソニーブルーレイレコーダーの外付けUSBハードディスクは、独自のファイルシステムではなく、exFATです。exFATはマイクロソフトが開発したファイルシステムですので、windowsで、そのまま扱うことができ、USBハードディスクを接続すると、ドライブレターが割り当てられ、ドライブの中身を見ることもできます。
動画のファイルも確認できますが、著作権保護がかかっているので、もちろんパソコンで再生することはできません。
macrium reflect等クローンソフトを使えば、ハードディスクのクローンが作れます。
しかし、筆者の場合、残念ながら、データの破損がひどく、windows上で、ハードディスクの認識が安定せず、クローンソフトが使用できませんでした。
Ubuntuで、試したところ、きちんと認識されたので、Ubuntu上で、ハードディスクのクローンを作成しました。その手順を説明します。
UbuntuのライブUSBメモリーの作成
ライブUSBメモリーは、ubuntuをインストールしたり、インストールせずに試用できるものです。
ライブUSBメモリーの作成は、ubuntuのISOファイルをダウンロードし、それでブータブルUSBメモリーを作ります。
https://ubuntu.com/downloadからDesktopを選択し、ISOファイルをダウンロードします。2022/8/28現在だと、Ubuntu 22.04.1 LTSが最新です。
ダウンロードしたISOファイルからブータブルUSBを作ります。いくつかソフトはありますが、私は、Universal USB Installerを使用しました。
ライブUSBメモリーからubuntuを起動する
作成した、ライブUSBメモリーをパソコンに接続USBメモリーから起動させます。
筆者の使用してるDELL PCの場合、電源起動時にF12を連打すると、起動メニューが表示され、USBメモリーから起動を選択すれば、USBから起動できます。どのキーを押すかはメーカーにより違いがあるので、メーカーのホームページ等で確認ください。
USBメモリーからのブートなので、時間が少しかかります。途中で、ubuntuの起動メニューになり、インストールや試用などを選択できますが、Try without installを選択します。
起動したら、オリジナルのUSBハードディスクと、クローンを作るハードディスクを両方接続します。クローンを作るハードディスクは、オリジナルのハードディスク以上の量量が必要で、中身はなくなります。
筆者は手持ちの同容量のハードディスクを使用しました。
Ubuntuの操作に慣れていない方に
デスクトップの左クリックすると、アプリケーションの一覧が表示され、その中に「端末」というアイコンがあります。
コマンドの入力等はここから行います。
Ddrescueで、ハードディスクのクローンを作成
Ddrescueというコマンドで、クローンを行います。Ddrescueは、エラーのあることを前提にクローンを行います。
Ddrescueのインストール
まずddrecueはインストールされていないので、インストールします。
以下のコマンドをターミナルで入力します。
sudo apt update
sudo apt-get install gddrescue
これでddrescueのインストールはできました。
ddrescueでハードディスクのクローンを作る
ddrescueの使い方は下記の通り
ddrescue [options] [コピー元] [コピー先]
コピー元、コピー先のハードディスクは、windowsであれば、C: やD:といった形で表せますが、ubuntuでは/dev/sdaなどと表記されます。
ハードディスクの名前を調べるにはいくつかの方法がありますが、“ディスク“というユーティリティがわかりやすいと思います。アプリケーションの一覧のユーティリティというフォルダーの中に、ディスクというアイコンがあります。これをクリックすると認識されているディスクの情報が表示されます。容量やドライブの名称から特定できるでしょう。
例えば、/dev/sdbから/dev/sdcにクローンを作るには、下記のように入力します。
sudo ddrescue -f -v /dev/sdb /dev/sdc
オプションの-fは、強制的に上書き。-vは処理の進捗状況を表示するオプションです。壊れたディスクからのコピーですので、-fオプションは必要です。
ddrescueは順番にデータを読んで、それをコピーし、エラーがでたものはスキップします。ハードディスク全体を一度終わったところで、エラーのでたところを再度読み込みを試みるようになっているようです。途中で中断しても、読み込めた部分はクローン出来てるので、適当なところで、プログラムを終了すればいいでしょう。
セクター単位で読み書きを行いますので、非常に時間がかかります。例えば筆者が2Tのハードディスクのクローンを作った時は、2日ほどかかりました。気長に待ちましょう。
クローンしたハードディスクの修復
修復はwindows上で行いました。
windowsのパソコンにクローンしたハードディスクを接続し、コマンドプロンプトを管理者として実行し、chkdskコマンドで、修復を試みます。
chkdsk ドライブ名 /f /r
ドライブ名は、D:とかE:とかいうwindowsのドライブレターです。
例えば、Eドライブであれば、
chkdsk e: /f /r
となります。
chkdskは、ファイルシステムのエラーを見つけ、修復するコマンドです。
壊れかけのハードディスクのクローンであれば、大量のエラーがあり、その修復を試み、修復できるファイルは修復してくれます。
容量の大きいハードディスクを修復する場合、かなり時間がかかります。
これで修復は終了です。
chkdskを終了したら、ハードディスクをブルーレイレコーダーに接続します。
クローンしたハードディスクは、ブルーレイレコーダーにクローン前のハードディスクと同じと認識され、無事な録画番組を視聴することができます。
ただし、修復できなかった録画番組も発生しますので、これは再生できません。あきらめるしかないでしょう。
まとめ
ソニーブルーレイレコーダーの外付けUSDハードディスクのフォーマットは、exFATでパソコンで認識が可能。修復が必要であれば、パソコンで修復可能、
ハードディスクをクローンすれば、クローンしたハードディスクをクローン元のディスクと同じと認識する。したがって、外付けUSBハードディスクの故障、容量アップなどで、交換したい場合、クローンすればいい。
ハードディスクは、消耗品。壊れることがあるので、定期的に交換するべき。交換時期は、パソコンで、Crystaldiskinfo等で、SMART情報を見れば検討がつきます。
Amazonや楽天には、多くのハードディスクが販売されています。基本的には、usbの外付けハードディスクであれば、利用可能です。
ブルーレイレコーダーに接続するのであれば、テレビ対応と表記されているので、USB3.0の製品を選ぶといいでしょう。
筆者が今回新たに購入したハードディスクは、Buffaloの4THD-EDS4U3-BCという製品ですが、4Tで1万円以下とリーゾナブルで、テレビ録画にも対応しているため、おすすめです。
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